【値上げ要求に対する交渉術】牛歩戦術の有効活用法

どーも、チャイナリーマンです。

 

取引先から値上げの要望が来た時に、どうやって抑止交渉をするか?

資材・調達の方にとっては腕の見せ所。値上げ要望に対する抑止交渉術を一つ紹介します。

ずばり『牛歩戦術』です。

一見してずるいように見えますが、立派な値上げ交渉法

 

本記事では、取引先から値上げを要請を受けた時に

牛歩戦術で交渉進める方法を解説します。

牛歩戦術の効果

値上げの妥結が先になる

すぐに値上げ妥結をしない。自社にとってはかなりの利益効果が得られる。値上げをすぐ実施するのか、先になってから実施するのか。特に数量多く購入しているのなら、先延ばしはかなり効果があります。

どれだけ妥結まで時間をかけるのか。

うまく取引先からの要求をかわしながら妥結を遅らせる努力をしましょう。

段階的な値上げを実施することが可能に

急激な価格UPを持ってきた場合は、牛歩戦術を行うことで段階的な価格変更ができます。取引先側も少しでも早く値上げをしたいので、要望をすぐにOKと言ってもらえないと思ったら、折衷案として段階的な値上げを提案してくることも。

急激な価格上昇は取引先との間で議論や調整に時間を要する場合がありますが、牛歩戦術で段階的な価格変更にすることで、双方が柔軟に対応しやすくなります。

自社内の検討時間を確保

値上げの妥結をするためには、自社内部の承認が必要。しかし承認のハードルは高いですよね。

交渉に時間をかけることで、自分の考えもブラッシュアップされる。値上げの妥当性をどうやって社内で説明するか、考える時間を確保することで納得のいく説明が準備できます。

特に難しい値上げ内容やなかなか承認を取れない上司だと効果的。

いずれにせよ、自分の考えをよりよくするために時間をかけることはメリットがあります。

取引先との信頼関係の維持

牛歩戦術は取引先からすると嫌がられそうな戦略ですが、逆です。

真摯に対応する、相手の説明をしっかり聞く、適切に質問をする。このように対応をすることで取引先からも嫌がられずに交渉を進められます。取引先に対して穏やかなアプローチを取るため、取引先との信頼関係を損なうことなく交渉を進めることができます。

牛歩戦術の進め方

値上げの根拠を細かく調べてもらう

妥当性をしっかり説明してもらいましょう。

「ニッケルが上昇したので値上げさせてください。」

例えばこのような値上げを受けた場合、以下のようなことを質問します。

  • ニッケル市況は、いつを起点にどのような推移を取ったのか
  • 市況変動に伴って、部品単価の何がどう変わったのか
  • 今まで市況が下がっていたところがあるけど、この時は値下げになっていなかったのか
  • 今後は市況変動に対して、部品単価変動をどのように見ていくのか
  • 材料メーカーとの交渉は、誰がどのくらい進めたのか

取引先に対して、調べてほしいことを小出しにすることでさらに時間をかけることが可能。

まとめてお願い事項を伝えることも大事ですが、うま~く小出しにして調査のお願いをしちゃいましょう。

交渉過程で期限を定めない

仕事の進め方のとして、“いつまでに”を決めることが基本。ただし値上げ交渉においては、こちらから日程を決めることをしないように。急いでも得することはありません。

取引先に〇〇を調べてからもう一回説明をして下さい。このようなお願いをした場合は、期限を決めることはしなくて良い。相手に任せましょう。

仮に日程を提案してきた場合、その日までに回答が来なかったとしても督促不要。あくまで焦らずに真摯な交渉を進める意識を持ちましょう。

注意すべきポイント

供給を人質にとられないように

もし値上げを認めないなら供給を止めるようなことを言われたら、この戦略は通用しません。自社よりも強い立場にある取引先なら、このようなことを平気で言ってくることも。

その場合は交渉に時間をかけることは絶対にダメ。早いうちに妥結を行い、供給止めないことを最優先にしましょう。

あからさまな牛歩戦術は嫌われる

取引先との関係を損なうことはやってはいけない。あからさまな牛歩戦術は行わないように。最初に落としどころを自分で決めておいて、そこに向けてゆっくり時間をかけて交渉する。これが基本の考えです。

落としどころを決めないで交渉を進めると相手にバレやすい。そのためどうなったら値上げを認めるのか、事前に考えて取引先との会話を進めましょう。

まとめ

資材・調達部門が取引先からの値上げ要求に対処する際、交渉術の一つとして牛歩戦術が有効です。

この戦術を使う際には、取引先との関係性に注意しながら有利に交渉を進めましょう。

この戦術は、段階的な価格変更を提案することで時間を稼ぎ、自社内の検討時間を確保。また、取引先との信頼関係を損なわずに交渉を進めることができます。注意すべきポイントとして、供給を人質にとられないようにし、あからさまな牛歩戦術は避ける必要があります。

ではまた。

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